Sansanの官報の推移を見てみる

2017年08月18日 16:22

名刺管理サービスのSansanの10期決算が発表されました。


名刺管理というと、「名刺って正直なくなりそうでなくならないもの」の一つであり、正直どうなんだろう…と思われるかもしれません。

しかし、一度使ってみると、名刺をスキャナーに入れて読み込んでしまえば勝手に入力されるCRMとなり、もうなくてはならない存在になります。

そこで今回は、Sansanの官報の推移を見て見ます。


まず、SansanのPLを見て見ます。

2013年以前については、官報がBSのものしかなく、当期純利益の記載のみとなっています。

売上の伸びも素晴らしいですが、当期純利益は5年間ほど大きな赤字が続いています。

ただ、当期純利益については2011年と2012年に13万円と89万円と黒字に転換しています。

スタートアップというと、赤字を出し続けるイメージですが既に利益を出せているという事実は、素晴らしいと思います。

また、売上総利益率を見てみると、75%以上をキープし続けています。

ちなみに、CRMで世界最大のSalesforceは、売上83.92億ドル、売上総利益率73%、営業利益6423万ドル、当期純利益1.8億ドルとなっています。


(単位=100万円)



次に、BSを見て見ます。

(単位100万円)

減資を重ねていますが、2013年に5億円、2015年に14.6億円、2016年20億円、2017年に42億を調達しており、これに未公開のものも足すと84億円近くを調達しています。

84億円も調達しているとなると、かなりの希薄化をしていそうですが、2015年と2016年は共に10%弱の希薄化しかしていません。また、それ以前のラウンドも10%程度の希薄化しかしておりません。

よって、2017年の42億円調達も9%程度の希薄化と考えると時価総額は467億円くらいだと考えられ、売上対時価総額は10.3倍程度となります。

Salesforceの場合は、売上対時価総額は7倍程度であり、Bessemer Ventures PartnersによるSaaSのIndexであるBVP Cloud Indexの平均は7.4倍となっています。

一見すると少し高そうですが、次期の売上予想からすると、あまり正当化できそうな時価総額です。



一見するとSansanは、連続で大赤字であり、それも消えゆくであろう名刺の管理サービスというと、厳しそうに見えてしまうかもしれません。

しかし実態は、入力が手軽なCRMであり、売上総利益率も高く成長率も高いSaaS企業となっています。

今後とも期待です。

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