ライブドアの業績とM&Aの歴史を振り返る

2017年09月15日 16:50

かつて日本を代表するIT企業の一つだったライブドア。

ライブドアは、1996年4月にオン・ザ・エッヂとして設立され2000年4月に上場し、2002年にライブドアを買収することで社名をライブドアに改名し、一時はプロ野球に参入しようとしたり、有人宇宙飛行に参入したり、フジテレビジョンの親会社の実質親会社だったニッポン放送をToSTNeT-1で買い占めたりと、日本の話題の中心にいました。

しかし、証券取引法違反で上場廃止になってしまい、グループもバラバラになってしまいましたが、一時代を築いたライブドアについて個人的にとても興味があったので、今回まとめてみます。


上場時の株主構成

まず、上場時のライブドアの株主構成を見てみます。

堀江貴文氏が63.38%、光通信がグループで17.28%、有馬純一郎氏が7.68%保有しています。

有馬純一郎氏は、堀江貴文氏の創業時の彼女のお父様に当たるそうです。


ライブドアの売上と経常利益の推移

次に、ライブドアの売上と経常利益の推移を見てみます。

創業1年目の1996年は、売上3532万円で経常利益6万円と利益も出しており、上場廃止直前の2005年には、売上784億円で経常利益113億円と輝かしい業績を残されています。(粉飾された後の数値ではありますが…)


ライブドアの経常利益率の推移

次に、経常利益率の推移をみてみます。

上場廃止直前まで、平均で8%の経常利益率を出し続けています。



ライブドアの事業構造

ここで売上の構造をみてみたいと思います。

セグメント名がコロコロ変わっているのですが、2004年あたりからイーファイナンスが中核事業となり、2006年にはコマースも大きくなっています。


イーファイナンスとは、ビットキャッシュなどの電子マネー、ライブドアクレジット(旧・ロイヤル信販)などの貸金、ライブドア証券(旧・日本グローバル証券)などの証券のことです。

また、決済のゼロ・ゼウスを買収したり、西京銀行と合弁で銀行を作ろうとしたり、ネット金融の一大帝国を他のIT企業に先駆けて築こうとしていました。

2004年に出した経常利益約50億円のうち、ほとんどがこのイーファイナンス事業が稼ぎ出した利益でした。

コマースとは、セシールです。


(2004年の経常利益約50億円については、粉飾された数値であり、実態は-3億円の経常損失でした。粉飾の方法は、本来売上計上が認められないライブドア株式の売却益約38億円を売上にし、子会社となる予定の2社の預金をライブドアに付け替えて、架空の売上約16億円を計上したことによるものです。詳細はこちら





ライブドアのM&Aの歴史

ライブドアの成長を支えたのが、買収です。

買収の仕方は様々ですが、株式交換が多かったと思います。


時期 会社名 形態 業界 買収額(億円)
1999年11月 フープス JV 無料Webページ
2001年9月 フープス 売却 無料Webページ
2001年12月 パイナップルサーバーサービス 買収 サイト制作
2002年3月 アットサーバー 買収 レンタルサーバー
2002年6月 アスキーイーシー 買収 EC
2002年6月 スプートニク 買収 ASP
2002年7月 AD4Portal 買収
2002年8月 ビットキャット 買収 ISP
2002年8月 ビットキャットコミュニケーションズ 買収 ISP
2002年9月 プロジーグループ 買収 ソフトウェア
2002年11月 ライブドア 買収 ISP 1.2
2003年3月 ビットキャッシュ 買収 決済 0.14
2003年3月 イーエックスマーケティング JV CRM
2003年5月 バカボンド 買収 リサーチ
2003年10月 イーバンク銀行 資本参加 銀行
2004年3月 クラサワコミュニケーションズ 買収 携帯販売店 8
2004年3月 ウェブキャッシング・ドットコム 買収 金融仲介
2004年3月 トライン 買収 人材派遣
2004年3月 バリュークリックジャパン 買収 広告 25.42
2004年3月 日本グローバル証券 買収 証券 39.88
2004年3月 ABS 買収 貸金
2004年5月 ターボリナックス 買収 OS 13.5
2004年6月 テントラー・コミュニケーションズ 買収 携帯販売店 0.6
2004年6月 Mail Creations 買収 広告 6.3
2004年7月 「JBBS@したらば」 買収 掲示板 1
2004年7月 ジェイ・リスティング 買収 広告 3.5
2004年8月 アルチェ 買収 メディア 1.63
2004年9月 セッション 買収 画像変換
2004年9月 「AAA!CAFE」 買収 掲示板
2004年9月 サイバーアソシエイツ 買収 メールシステム
2004年9月 キューズ・ネット 買収 結婚仲介
2004年10月 Myrice 買収 広告
2004年10月 イーバンク銀行 売却 銀行
2004年10月 ロイヤル信販 買収 貸金
2004年11月 弥生 買収 会計 130
2004年12月 ワイワイシー 買収
2005年1月 エイシス 買収
2005年2月 ミクプランニング 買収 マーケティング 15.67
2005年2月 ベストリザーブ 買収 旅行予約
2005年2月 ライフドアパブリッシング JV 出版
2005年3月 西京ライブドア銀行 JV 銀行
2005年5月 ライブドアパートナーズ 売却 670
2005年6月 日商岩井フューチャーズ 買収 先物 20
2005年7月 ビュー・ジャパン 買収
2005年7月 ネクストステップ 買収
2005年7月 ワークアウト債権回収 買収 債権回収
2005年9月 ジャック・ホールディングス 買収 自動車買取
2005年9月 ターボナリックス IPO サーバー・クライアントOS
2005年10月 ClickDiario 買収 メディア 10.5
2005年10月 セシール 買収 カタログ通販 103.82
2005年11月 Innovation Interactive 買収 広告
2005年11月 360i 買収
2005年11月 eXact Advertising 買収
2005年11月 Exact Serch 買収
2005年12月 メデイアエクスチェンジ 買収
2005年12月 ダイナシティ 資本参加 不動産
2005年12月 ゼロ・ゼウス 買収 決済 109.93
2006年1月 ジャック・フランチャイズ・ステーション 売却
2006年3月 ライブドアドリームテクノロジー 売却

金融や広告に関する買収が多いように見えますが(掲示板もいくつか買ってる)、中には携帯販売店や人材派遣なども買収しています。


ライブドアグループの現在

ライブドアグループは現在、分割されて様々な形で残っています。

セシールはフジメディアHDに売却されディノス・セシールに、弥生はMBKパートナーズに売却されたのちにオリックスの子会社に、金融事業はアドバンテッジパートナーズに売却、ゼロとゼウスは様々な遍歴をへてAXES Holdingsとして韓国に上場、ライブドアマーケティングは様々な遍歴を経てソネット・メディア・ネットワークスとして上場、最後に残ったライブドアのウェブ事業はNHN Japan(現・LINE)に売却され当時のライブドアの役員の方の一部が、LINEの役員となっています。


いかがでしたでしょうか。

堀江貴文氏のイメージやポータルサイトなどのイメージが強かったかもしれませんが、実態は最近話題のFinTech(というかネット金融帝国)にいち早く取り組んでいる会社でもありました。

このライブドアの後追いをしたのが、SBIであり、楽天であり、GMO、なのかもしれません。

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