モバイル決済サービスを展開するSquareの業績

2016年12月21日 22:44

Squareは2009年2月にスタートしたモバイル決済サービスを提供する会社。ツイッターの創業メンバーであるジャック・ドーシーが開始した会社としても有名。2015年にニューヨーク証券取引所に上場したことは記憶に新しい。

彼らの事業について理解するために、まずは全ての企業に共通する基本的な業績の推移を見てみよう。


現在ではまだ営業利益を出すには至っていないが、売上高は右肩上がりに推移し、2015年度は12.6億ドル。日本円でいうと1300億円くらいか。次に、売上高の種類ごとの内訳を見てみる。

スターバックス決済がもしかしてでかいのかなと思ったけどそれほどでもなかった。普通に中小企業の決済ソリューションとして広く使われてるんだろうな。まあしかし、売上の内訳に一つの企業が出てくるというのは興味深い。2015年度の売上高12.6億ドルのうち、1.4億ドルがスターバックスだから、1割は超えている。


次に、コスト面を掘り下げてみよう。Squareはまだ赤字企業な訳だが、どこに費用を割いているのか。「Cost of revenue」と「Operating expenses」を併せて見てみよう。

最初の4項目(トランザクション、スターバックス、ソフトウェア・データ製品、ハードウェア)が売上原価、後の4つが営業費用として計上されている。

グラフを見ると、トランザクション自体にかかるコストがかなりでかいようだ。売上12億ドル中7億ドル近くだから、それだけで半分以上を持っていかれる。このコストを下げることができるのかどうかはわからないが、もし下げられないとすれば、それほど利益率の高い商売ではないのかも。

一番最後の「トランザクション損失(報告書ではTransaction and Advance Losses)」という項目が興味深くて、要するに決済上の詐欺や不良債権が費用としてSquare側が負担しなくてはいけないらしい。

製品開発に1.5億ドル、セールス・マーケティングに2億ドルというのは事業規模からいうとかなり低く抑えていると思う。二つ合わせても売上に対して30%程度にしかならない。売上22億ドルのうち16億ドルが開発とセールスで使われてしまうTwitterと比べれば遥かに優秀な水準だ。

しかし、売上原価で半分程度持っていかれてしまう以上は、できるだけ開発やマーケティングのコストを増やさないようにしながら、売上を増大させていくしかないわけか。

あるいはSquareという決済手段自体がもっと広く使われるようになれば、スケールメリットで原価を抑えられたりするのかもしれない。


以上、ソースは2016年3月提出の年次報告書(Form 10-K)より。

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