Zendeskの今後の見通しについて考える

2017年04月21日 17:07

まずはこれでも読むか。

3分でわかるZendesk

ざっくりまとめると、Zendeskの特徴は以下の通り。

カスタマーサービスのためのクラウド型ソフトウェアを提供

・メールの問い合わせ対応やリアルタイム・チャット、Q&Aサイトの構築、電話サポートなどとの連携ができる

・サポート担当者、マネージャー、ユーザーの3者をユーザーとして想定

・2007年にデンマークのコペンハーゲンで設立

・基本コンセプトは「顧客をイライラさせない」「社内全体の生産性を高める」「プロアクティブに顧客との関係を構築する」の三つ


製品ファミリーは以下の通り。

決算報告書を読んだ限りだと、このうち「サポート」「チャット」の2つが現時点での主力製品のようだ。

以下は課金アカウント数のここ3年間の大まかな推移。

トータルを見ると、2014年末の52500アカウントから、2016年末には94300まで拡大。

続いて、売上の地域ごとの内訳をみる。

全体の売上高3.12億ドルのうち、米国は1.68億ドルの売上で全体の54%。EMEA地域は8736万ドルで28%か。ヨーロッパ発だけあって米国への依存度は小さめだと思う。


見たところ、ユーザー数は順調に成長しているし、オンラインカスタマーサポート製品の市場が現在より伸びないということは考えにくい。すでにグローバル化にも着手しており、もっと強い競合が出てこない限りは、売上が長期的に伸びていく可能性はかなり高いのではないかと思う。

Zendeskの成長はまだまだ続きそうだ。しかし、まだ赤字企業だという点についてはどうだろう?

2016年12月期には売上高3.12億ドルに対して営業損失1億ドルを計上している。

赤字の割合は年々縮小しているが、今後、売上の伸びによって収益性が改善するだろうか?


ということで、コスト構造をちょっと見てみる。

2014 2015 2016
Revenue 127,049 208,768 311,999
Cost of Revenue 46,047 67,184 93,900
粗利率(%) 63.8% 67.8% 69.9%
Operating expenses (66,145) (82,985) (104,326)
Research & development 36,403 62,615 91,067
R&D / Revenue (%) 28.7% 30% 29.2%
Sales & Marketing 77,875 114,052 166,987
S&M / Revenue (%) 61.3% 54.6% 53.5%
General & administrative 32,869 47,902 64,371
G&A / Revenue (%) 25.9% 22.9% 20.6%

一番コストがかかっているのはセールス・マーケティング費用だ。対売上比で50%以上の費用を投じている。これ自体は成長企業にありがちなので意外ではない。

面白いのは、粗利率が2年前と比べて5%以上改善していることだ。これって結構すごくないか?

インターネットサービスはサービス運用自体のコストはユーザーが増えたからといって等しく増えるわけではないので、粗利率はスケールが大きくなるほど改善するのかもしれない。

また、Zendeskは月額課金型のSaaSを提供しているので、一度ユーザーが気に入ってくれたら、他に乗り換えられたりしない限り基本的には売上が積み上がっていく、ということだ。

つまり、彼らが十分ニーズのある製品を提供しているという前提に立つ限り、現在アクセルを踏んでいるセールス・マーケティング費用を削ったからといって、売上が減少してしまうということは考えにくい。


そう考えると、Zendeskはいつでも黒字化することは可能、と言って良いのではないかと思う。さすがにマーケティング費用をゼロにするってことはないだろうし、まだ数年はかかりそうだけど。

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