国民2,398万人の医療データを保有!医療機関に経営支援システムを提供する「メディカルデータビジョン」

今回取り上げるのは、医療機関向けに経営支援システムを提供するメディカルデータビジョンです。

創業者の岩崎博之氏は、1960年群馬県生まれ。

1986年に新日本工販(現フォーバル)に入社したのち、マルチメディア系の会社を中心に転職を重ねます。

幅広くスキルを身につけたことで給料も高くなりましたが、やがて「何のために働くのか」という疑問を持つようになります。


人を喜ばせること、中でも「世界中の人を幸せにすること」が究極の喜びだと考えた岩崎氏は、幸せのベースである「健康」に関する事業をしたいと考えるようになります。

そのような考えのもと、2003年に創業したのがメディカル・データ・ビジョンです。


病院に保管される医療情報が十分に活用されていないと感じていた岩崎氏は、「医療データを蓄積しそれを活かして医療の質を高める」というビジョンのもとに医療機関向けの経営支援システムを開発。


創業して5年間は毎月赤字で、累積損失は一時期9億円に達したそうです。

企業当初には5年で上場するつもりだったのが11年かかって2014年にマザーズ市場に上場。2016年に東証一部に市場変更しています。

業績を見てみましょう。

2011年の売上高は9.7億円でしたが、2017年には32.2億円に増加。

経常利益率も2011年の3.5%から、2017年には17.5%と大きく上昇しています。


今回のエントリでは、苦労の果てに築き上げた高収益企業「メディカル・データ・ビジョン」についてまとめてみたいと思います。


病院向けに経営支援システムを提供する「データネットワークサービス」

メディカル・データ・ビジョンの土台となっているのが、医療機関向けに提供する「データネットワークサービス」です。


医療機関向けの経営支援システムとして、「EVE」「MedicalCode」「CADA-BOX」という三つの主要サービスを展開しています。

① EVE

EVEは、高請求とDPC請求の差額分析、患者数・在院日数・医療資源などの各種指標を疾患別・症例別に分析するDPC分析ベンチマークシステムです。

「DPC(Diagnosis Procedure Combination)」とは「包括医療費支払い制度」のことで、2003年に導入された新しい診療報酬の計算方式のこと。

従来の方法では「どんな医療行為を行なったか」という「出来高」から算出されますが、DPCでは一部の病名について、「1日あたりの入院点数 x 日数」という「包括」的な計算方法が取られます。

DPCを導入するには厚生労働省による認可が必要であり、2018年4月1日時点では1,730病院がDPCの対象となっています。


さて、病院はEVEを導入することで、ほかの病院との経営状態を比較でき(ベンチマーク機能)、自院の強み・弱みを把握した上で経営方針を考えることができます。

機能の一例

提供価格はハード代込みで400万円、保守費として月額5万円とのこと。

2006年にサービスを開始し、現在の導入病院数は802院。

1,700院以上ある「DPC対象病院」のうち45%が導入していることになります。


② MedicalCode

MedicalCodeは、DPCデータを活用して病院内のさまざまな経営課題を解決するサービスです。

原価計算をはじめとした経営データを病院内で共有し、意識改革や行動の変革を誘発し、経営改善につなげます。

MedicalCodeは2009年よりサービスを開始し、直近では269病院が導入。

こちらの導入費用は810万円、月額の保守代金は10万円とのこと。


③ CADA-BOX

CADA-BOXは、2016年9月に開始した病院向けデジタル健康ソリューションです。

患者と共同して利用することで、「医療サービスに満足しない理由」のトップ3である「待ち時間」「医師の説明」「治療費」の三つを解決します。

CADA-BOXを導入している企業に来院する患者は、「CADA」という医療情報統合IDカードを受け取ります。

医療機関は、CADAに紐づいた患者の診療情報を一元管理することができ、オンラインカルテサービス「カルテコ」で自分の診療記録をチェックすることもできます。

カルテコ

カルテコを利用することで、先に挙げた「三つの課題」のうち「医師の説明」を効率化することができます。

そして、残り二つ「待ち時間」「治療費」を解決するのが、医療費の後払いサービス「CADA決済」です。

CADA払いサービス

「CADA決済」は完全自由返済型の「後払い」サービス。

利用日から40日間は手数料無料で、分割払いの手数料も月1%となっています。

CADA決済によって医療費を後払いにすることで、患者は診療が終わった後にすぐに帰宅することができます。

支払いタイミングを柔軟にすることで、患者との関係性強化にも役立ち、システム化しているので未回収金問題への対策も可能となります。


「CADA-BOX」を導入している病院は11院のみと、現時点(2018年10月)では非常に少ないようです。

CADA払いに対応している病院は4か所のみ。


製薬会社などにデータを提供する「データ利活用サービス」

「EVE」「MedicalCode」などのデータネットワークサービスにより、メディカルデータビジョンのプラットフォーム上には2,398万人もの患者の医療データが蓄積されています。

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