KFCなどを抱えるヤム・ブランズの売上規模が半減した件について

ヤム・ブランズ(Yum! Brands)は、「ケンタッキー・フライドチキン」「ピザハット」「タコベル」などのなじみのある飲食チェーンを傘下に持つ会社。2016年のアニュアルレポートを読んでみたら、なかなか興味深いことがわかった。

まずは全体の業績ハイライトを見てみる。

売上高は63億ドルで、そのうちフランチャイズによるライセンス・フィーが21億ドルと三分の一程度を占めている。売上は前年より1%減少と、ほぼ横ばい。

営業利益は16億ドルで、営業キャッシュフローは12億ドルとなっている。

ちなみに、各年次の最新の数字をとって業績推移を作るとこうなっている。

若干ややこしいが、企業の業績をさかのぼる際、稀に業績規模がドカンと変わることがあり、その理由はだいたい次のどちらかである。

・会計制度の変更

・子会社・事業部門の売却やスピンオフ

その場合、変化後の業績報告では、ちゃんと比較できるように、変化後の状態として変化前の数字も出されることが多い。

例えば、上のグラフは各年の報告時点での最新データとして取得しているので、2015年時点の報告では売上高が130億ドルほどとなっているが、2016年のアニュアルレポートでは2015年の売上高は64億ドルとして書かれる。


つまり、上のグラフは2015年と2016年の間で何か大きな事業の分離があったことを示していおり、何がどうなったのかを知らなくてはならない。


少し読み進めると、CEOからのメッセージの冒頭に原因っぽいのが書いてあった。

「2016年の10月31日に、中国事業を独立した上場企業としてスピンオフした」とある。おそらくそのためにYum! Brands自体の売上規模が半分程度にまで下がったのだと思われる。

ついでにYum China Holdingsの業績推移も見てみよう。

5年前から一貫して70億ドル近い売上がある。つまり結構長いこと、米国よりも中国の方が売上が大きかったということか。これは興味深い。

もう一つ知りたいことがあって、各ブランドの売上高を知りたい。

・KFC:売上高32.32億ドル、営業利益8.74億ドル(営業利益率27%)

・ピザハット:売上高11.11億ドル、営業利益3.7億ドル(営業利益率33%)

・タコベル:売上高20.25億ドル、営業利益5.93億ドル(営業利益率29.2%)

三つ合わせるとだいたい63億ドルになる。

三つとも利益率が30%前後と極めて高いが、これは中国事業をスピンアウトすることでフランチャイズ化したためである。営業利益の規模をほとんど変えないまま売上を小さくし、それによって収益性を改善して見せることができているということか。

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