世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」創業者レイ・ダリオの半生(前編)

2018年11月17日 09:37

今回取り上げたいのは、アメリカの伝説のファンド・マネージャーであるレイ・ダリオです。

ダリオは世界有数のヘッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者兼会長として知られています。

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1,247億ドルを運用する世界最大のヘッジファンド「ブリッジ・ウォーター」

データソース:The 10 biggest hedge funds in the US(2018年5月)

ブリッジウォーターは1274億ドル(14兆円)もの資産を運用していて、世界でも最大規模のヘッジファンド。

そして、それを一代で築き上げたのが1949年生まれのレイ・ダリオです。

2013年には「経済マシンの仕組み」に関するアニメーション動画を出したり(日本語版もあります)、2017年には著書『Principles』を出すなど、近年は後進の育成に力を入れています。


著書の「Principes(原則)」や、上の動画の「経済マシンの仕組み」などのタイトルにも現れているように、レイ・ダリオは非常に機械的・分析的な考え方を特徴としています。

彼が設立したブリッジ・ウォーターもユニークな文化で知られており、外部からは「カルト的」とすら言われるレベルです。

今回のシリーズではレイ・ダリオの半生と、彼が作ったブリッジウォーターという組織にフォーカスをあててみたいと思います。


8歳から仕事をはじめ、12歳で株式投資を経験

レイ・ダリオはニューヨーク・マンハッタンからほど近いジャクソン・ハイツで育ちました。

父親はジャズミュージシャンで母親は専業主婦の一人っ子として1949年に生まれ、アメリカの中流階級としてごく普通の少年時代を過ごしたようです。

暗記が苦手で、しかも「あまのじゃく」な性格だったため学校の成績は悪く、母親は彼のことをとても心配していたそうです。

そんなレイ・ダリオのことを可愛がってくれた母親は、彼が19歳のときに亡くなってしまいます。


ミュージシャンだった父親は多忙で、毎日午前3時に帰ってきては週末は遅くまで寝ていました。

少年時代は草刈りなどの雑用を言いつけられる以外のコミュニケーションをあまりとっていなかったものの、母親が亡くなった後はとても親密になります。

ダリオの父はミュージシャンとしての愉快さと、世界恐慌や第二次世界大戦を経験していた人特有の強さを兼ね備えていたとのこと。

家での雑用は頑なにサボろうとした少年時代のレイ・ダリオですが、家の外では懸命に働きました。

8歳のときには新聞配達を開始し、その後も雪かき、キャディ、レストランの雑用、スーパーでの棚卸しなど色々な仕事を経験します。

当時のアメリカは軍事的にも経済的にも伸び盛りで、より先進的なものを求める「リベラル」さが良いとみなされる風潮だったそうです(少なくともダリオにはそう見えたとのこと)。

大人たちは誰もが株式市場について話をしており、12歳で始めたキャディの仕事をしている最中にもそのことを耳にしました。

そこでダリオは、キャディで貯めたお金でノースイースト航空の株を購入します。

選んだ理由は「聞いたことがあるのがノースイースト航空くらいだった」からだそうですが、株価は三倍に。

株価が上がった理由は、破綻寸前のところを買収によって救われたから。つまりは完全なラッキーだったものの、当時のダリオ少年はそんなことを知るはずもなく、「株で稼ぐのは簡単だ」と思ったそうです。


当時、フォーチュン誌が出していたFortune 500企業の年次報告書の無料配送サービスで、すべての会社分を注文すると、郵便配達の人が大変そうに抱えて持ってきてくれたそうです。

それがダリオにとって最初の「投資ライブラリ」となり、すべてを食い入るように読み込むことになります。

自身の好奇心の強さによって早くから株式市場への関心を強めたダリオですが、普通に友人たちと遊びもしました。

10代後半になると偽のIDを使ってバーに出入りしたり、音楽フェスやスキューバダイビングにも行ったそうです。

投資だけでなく、何事に対しても自分の頭で考えるタイプで、失敗よりも中途半端に終わってしまうことを恐れたとのこと。

大学では一転して成績優秀になり、同級生の影響でコモディティ取引に興味を持つ

1966年、株式市場がピークをつけた時にはダリオは高校の上級生になっており、株でかなりのお金を稼いだと言います。

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前編の続き)

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卒業後は順調にハーバード・ビジネス・スクールに進学したものの、2年生になったころに第一次オイルショック(1973年)が発生。

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