世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」創業者レイ・ダリオの半生(後編)

2018年11月20日

(中編からの続き)

「1930年以来の大恐慌」を予言したレイ・ダリオでしたが、結果は大外れに終わりました。

恐慌どころか未曾有の好景気となり、市場の崩壊に賭けていたダリオは大損を食らうことになります。

従業員の給料も払えなくなり、ブリッジウォーターは社員ゼロ、レイ・ダリオ1人になるまで追い込まれました。

「自分が正しい」という価値観を改め「優れたアイデア」が勝つ組織運営スタイルを開発

この大失敗からダリオが学んだのは、非常にシンプルなことでした。


それは「どれだけ調査しても、100%確信を持つことなどできない」という原則です。

若い頃のレイ・ダリオはアグレッシブすぎるのが生来の特徴でした。

以降も根本は変わっていないものの、手痛い失敗によって「注意深さ」も身に付けることになりました。

それまで無条件に「自分は正しい」と考えていたのが、「どのように自分は正しいだろうか?」と自問するようになったそうです。

人間には考え方のクセや「盲点」のようなものがあるため、自分とは異なる人の思考も積極的に取り入れていく必要があることに気がつきました。


そのようにして、ダリオはブリッジウォーターを運営する重要な指針「idea meritocracy」にたどりつきます。

日本語なら「優れたアイデア主義」といったところでしょうか。

「idea meritocracy」は、経営者からのトップダウンのワンマン経営とも違いますし、多数決で決める「民主主義」とも異なります。

優れたアイデアがきちんと勝ち残るような組織を作ることできれば、各メンバーの「盲点」を補い合った上で最高の意思決定ができるというわけです。

具体的にどういうものなのかについては、上のTED動画でダリオ自身が説明しています。


1980年前後からコンピュータを積極的に活用し、取引アルゴリズムのチューニングを続けた

さて、先の大失敗によって自身と顧客に大損を食らわせ、ブリッジウォーターはダリオ1人の出張費も出せないほど困窮しました。

ダリオはゼロから顧客を獲得していき、組織も少しずつ拡大していきました。

彼とってそのプロセスは、「組織を作る」というよりは「RPGで必要な武器を揃える」という感じだったそうです。

中でも重要だったのが「コンピューター」の存在です。

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