営業利益率が驚異の44.5%に上昇!教育メディア圧倒的No.1を目指す「イトクロ」2018年10月期決算

営業利益率が驚異の44.5%に上昇!教育メディア圧倒的No.1を目指す「イトクロ」2018年10月期決算

領域特化型メディアなどを展開するインターネット企業「イトクロ」(証券コード: 6049)の2018年10月期決算が発表されました。

2018年10月期決算説明資料


通期売上は44.9億円(前期比+13.9%)、営業利益20.0億円(営業利益率: 44.5%)


今期の売上は13.9%増収の44.9億円、営業利益は20億円の大台に到達しました。

なお、17/10期にかけて売上高が減少していますが、有価証券報告書によるとイトクロは17/10期より会計方針を変更しています。

「リスティング費用及び他のサイト運営会社に支払う成果報酬費用」を「売上高から控除する方法(純額表示)」に変更し、より実態に近い業績が開示されるようになりました。


2ケタ増収に加えて驚異的なのは収益性の向上です。

営業利益率がグイグイと上昇し、今期は44.5%まで高まっています。


彼らの成長ドライバーは一体どこにあるのでしょうか?


教育や金融領域で自社メディアを展開。『塾ナビ』の業界認知度は80%以上

イトクロは「領域特化型メディア(バーティカルメディア)」の運営を事業の中核に据えています。

自社メディアとして教育領域、金融領域のWebサイトを複数展開。

ビジネスモデルは一般的なポータルメディアと同様で、ユーザーの送客による成功報酬型となっています。

また、クライアント企業向けにマーケティング支援(コンサルティング)も行ないます。

彼らの運営メディアを詳しくチェックしてみましょう。


教育領域

教育領域では学習塾や家庭教師の検索サイト等を運営しています。

イトクロを代表するメディアが創業の翌年となる2007年から開始した『塾ナビ』です。

塾ナビ

『塾ナビ』は全国の学習塾情報を掲載したポータルメディアで、サイトを通じた資料請求などができます。

年間利用者数は1,850万人、口コミ数17万件、掲載教室数は8万を超えています。

塾検索サイトとしてのシェアは圧倒的で、他社サイトが10%に満たないところ『塾ナビ』は80%を超える認知度を獲得しています。


金融領域

イトクロはローン比較などの金融メディアも展開しています。

目論見書より

2008年に『FX比較オンライン』をスタート。

2009年に『BEST証券比較』、その翌年からは『みんなのカードローン』をリリースしました。

2014年にはクレジットカード情報を提供する『クレマガ』を開始しています。


教育メディアが26%増収。『みんなの学校情報』はPV数が前年から45%増

売上の内訳をサービス別に見てみると、教育メディアが右肩上がりの成長を続けています。

教育メディアの売上は37.8億円で、前年から26.0%の増収を達成しています。

売上構成比は大幅に変化しており、教育メディアがイトクロの柱となっていることがわかります。

2018年8月〜10月の平均月間ユニークユーザー数は1,109万人と、前年同期比で47.0%増加しました。


すでに圧倒的な地位を築いている『塾ナビ』だけでなく、2012年から開始した『みんなの学校情報』も成長を牽引しています。

今期の年間PV数は前年から44.8%も増加したとのこと。

今期から営業活動を本格化させた専門学校の無料掲載について、期首計画の600校(競合サービスの平均掲載数1,100校の約半数)を大きく上回る785校を獲得。

半年前と比較して資料請求件数は10倍に増加しており、新規メディアの着実な成長がイトクロの成長を押し上げています。


教育メディアにリソースを集約して売上原価率が劇的に改善(5年間で41.0%→10.0%)、現在の時価総額は758億円

イトクロのコスト構造は期を追うごとに改善を続けています。

売上原価率は13/10期の41.0%から5年間で10.0%に改善しました。

コンサルティングサービス等その他サービスは縮小し、新規案件の獲得を停止。

教育メディアの体制を強化し、劇的な収益性の向上を成し遂げています。

教育メディアは「口コミ」が増えるほど優位性が増す「ストック型」であると定義しており、教育メディアの売上が比率が高まるほど営業利益が向上しています。


バランスシートもチェックしていきます。

総資産78.1億円に対して現預金が66.8億円と、資産全体の85.5%を占めるかなりのキャッシュリッチとなっています。

資産の調達原資は株主資本がほとんどで、利益剰余金が44.6億円まで積み上がっています。

安定的に営業キャッシュフローを稼ぎ出しており、近年は積極的な投資を行なってきました。

今期のフリーキャッシュフローは12.3億円のプラスとなっています。

2015年7月の上場時から株価は4倍近くに上昇し、現在の時価総額は756.8億円です。

キャッシュ66.8億円を考慮した企業価値(EV)は690.1億円。

フリーキャッシュフロー12.3億円に対して56.1年分という評価を受けています。


他サービス縮小で来期売上は横ばい予想(+3.5%の46.5億円)。「えふなな」買収で医学部メディアを強化

増収増益で市場からの期待も高まるイトクロですが、来期の売上目標は思ったよりも抑えめです。

売上高は3.5%増の46.5億円、一方で営業利益は17.5%増の23.5億円を掲げています。

売上が横ばいとなる要因は「その他サービス」の縮小で、来期は59.9%の減収を見込んでいます。

反対に教育メディアは引き続き2ケタ増収予想で、収益性のさらなる向上に期待がかかります。


教育領域を強化するための打ち手として、2018年9月に「えふなな」の買収を発表しました。

医学部予備校ガイド

17/12期の売上は1億5,760万円、営業利益は1,658万円で、買収価格は3.2億円となっています。

「えふなな」は国内最大級の医学部受験サイト『医学部予備校ガイド』を運営しています。

イトクロが運営する『医学部受験マニュアル』と合わせて、医学部受験予備校領域で圧倒的No.1を目指します。


気になるのは少子化が進む市場動向ですが、現時点で教育市場の規模は巨大です。

現在イトクロがアクセス可能な市場だけで1.2兆円と、日本国内だけでもまだまだ成長の余地がありそうです。


マーケットリーダーとして高収益体質に磨きをかけるイトクロの今後も引き続き追いかけていきたいと思います。


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