ポケトークがシェア96%を勝ち取った3つのワケ「ソースネクスト」

ポケトークがシェア96%を勝ち取った3つのワケ「ソースネクスト」

2019年06月27日 12:00

島国で生まれ育った日本人の大きな弱点は"語学力"ではないでしょうか。

今回はその弱点に目をつけ、ポケトークの大ヒットをもたらした"ソースネクスト"(証券番号:4344)について取り上げます。

「ポケトーク」は2017年12月に発売が開始された74ヶ国語の翻訳を即座に行う自動翻訳機です。2018年には日経優秀製品サービス賞で最優秀賞を受賞するなど高く評価されています。

2011年から這い上がった「ソースネクスト」

ポケトークを販売するソースネクストは1996年にアプリソフトの開発を目的に創業され、2006年にはマザーズ市場に上場。現在ではアメリカに子会社を持っています。

2011年には40億円まで売上が低迷。その後5年ほどは微増していたソースネクストでしたが、2019年には前年比プラス55%の147億円。過去最高売上を叩き出し、完全復活を果たしたと言っても過言ではありません。

この売上成長の理由は何と言ってもポケトーク。今回は3つの視点から大ヒットのワケを見ていきます。

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ワケ① 〇〇ヶ国語対応の圧倒的な比較優位製品
ワケ② 〇〇費を4倍に増やし、ピンポイントで勝負に出た
ワケ③ 日本人の〇〇と〇〇な環境に目をつけた
来期は〇〇億円越えと更なる売上アップ見込み

"圧倒的"比較優位を持つポケトーク

ポケトークのヒットのワケはまず性能の高さにあります。

ポケトークは74言語で双方向コミュニケーションの翻訳を可能にした翻訳機器です。競合の「ili(イリ)」は英語・中国語・韓国語の3ヶ国語だけの翻訳なので、違いは一目瞭然です。

その性能から用途に置いて比較優位をもつのがポケトークです。特にビジネスシーンでは双方向のコミュニケーションが多いこと、スクリーンを持つことから勉強にもポケトークが好まれています。

また、ポケトークは他サービスとの連携も積極的です。

ソースネクストではポケトークと連携して発音練習ができる無料の学習コンテンツ「ポケトークリンク」を提供。スマホとの連携で更なる価値を生み出しています。

また、タクシーの後部座席にはタブレット式の自動翻訳機を導入。インバウンド客とタクシー運転手の言葉の壁の解決を図っています。

前年の4倍の広告宣伝費

大ヒットを生み出した2つ目のワケは集中した広告宣伝への投資にあります。

コスト構造では広告宣伝費が昨年から9ptプラスの15%となっていました。

明石家さんまのテレビCMでも露出がされていたようにソースネクストは前年の4倍の21.5億円を広告宣伝費に投入。このことから新型ポケトークにピンポイントで勝負を掛けていたことが読み取れます。

また、販路においても家電量販店、EC、BtoB、ジャパネットたかたなどのテレビショッピングとチャンネルの拡大を行なっており、これも売上増加の要因の1つと言えます。

英語力不足の日本人×インバウンド客の激増

大ヒットの3つ目のワケは"日本が最適な市場だった"ことです。

インバウンド客は2014年から爆増。2018年には3,119万人に登り、2020年には4,000万人、2030年には6,000万人となる予想です。

継続して増加するインバウンド客ですが、日本人の語学力が問題としてあげられます。

Education Firstによると日本人の英語力は88ヶ国中49位と平均以下。教育投資が多くされている先進国のなかでは低い水準となっています。

この2つを併せもつ環境に目をつけたことがヒットの要因と言えるでしょう。

2019年に発行株式数をおよそ2倍に

払込資本は2019年に79億円と2倍近くに増加。発行株式数がおよそ2倍になったことが原因です。また、利益剰余金も着実に積み上がっており、2019年には39億円になっていました。

資産の部では2019年には現預金が過去最高の76億円。全体の43%とキャッシュリッチな資産構造となっていました。

2019年の営業キャッシュフローはプラス。株式の発行による収入が37.9億円を計上しているため、財務キャッシュフローは大きくプラスになりました。2018年には前渡金の増減にマイナス7.7億円を計上したため、営業キャッシュフローがマイナスとなっています。

時価総額は561.0億円で純キャッシュを考慮した企業価値(EV)は500.8億円。FCF5.8億円に対して86.7倍の評価となっています。

来期の売上は200億円の大台を超える200.2億円予想。今年のプラス36.1%の見込みとなっています。営業利益は16.1億円とプラス87%の予想です。

まとめ

ワケ① 74ヶ国語対応の圧倒的な比較優位製品
ワケ② 広告宣伝費を4倍に増やし、ピンポイントで勝負に出た
ワケ③ 日本人の英語力不足とインバウンド客増加に目をつけた
来期は200億円越えと更なる売上アップ見込み

参考文献

ソースネクスト 決算説明資料

ソースネクスト 2019年3月期決算短信[日本基準](連結)

Education First EPI 2018 英語能力指数

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